人々に和みと潤いを与え心豊かな生活の場を提供する

ワイナリー情報

フィルハーレヘン(ステレンボッシュ)

前のページへ戻る

フィルハーレヘンは、オランダ東インド会社の高等弁務官が、1672年に土着民から買い取ったホッテントット・オランダ(当時の南アフリカ)の土地に、会社の前進基地を再配置するよう、指揮官であるサイモン・ファン・ダー・ステルに命じ造られたとされています。
  サイモン・ファン・ダー・ステルは、彼自身の「数学と建築学の規則」にのっとり、郵便局、小麦店、牛小屋、果樹園、野菜園などを備えた新しい前進基地の創生に着手します。
1700年に喜望峰の新しい知事、ウィレム・アディリアーン・ファン・ダー・ステルにより、342haの土地が自由保有地として認められなければ、フィルハーレヘンは東インド会社の前進基地のままだったかも知れません。
ウィレムは、有名なグルート・コンスタンシアの地を設立したサイモンの息子でした。
サイモンが知事職を退いた後、ウィレムが新しい知事就任とともに、「はるか遠くの地」を意味する、このフィルハーレヘン(Vergelegen)の所有者になったのです。

若く奔放なウィレムは、未開の地を真実の楽園に変えようと開拓を始めますが、何年もの間、自由主義の住民との論争に苦しめられ、ついには負けてしまいます。不名誉にも、1706年10月30日に、東インド会社から退去・オランダへの帰還命令を受け取ることになってしまいました。
3年後には、フィルハーレヘンは売却され、農場は4つに分割、家屋敷は倒壊命令が出されます。
その後、フィルハーレヘンの所有権は転々としますが、1798年にようやくチュニッセン家が約100年に亘る所有をすることに落ち着くと、ぶどう畑にも管理が行き届くようになり、繁栄の道を歩んで行きます。
1917年になると、新たに所有者となったライオネル卿と、その妻フローレンス・フィリップス貴婦人により、古い家屋敷の改装、図書館の設立、庭園の手入れなどに多額の費用が投じられ、フィルハーレヘンは一気に生まれ変わります。
彼らの手により、古い歩道橋は自動車が通行できる立派な道路になり、ダムも建設され、また、ぶどう畑は混合農園へと姿を変えました。
ライオネル卿とフローレンス・フィリップス貴婦人の死後、1941年6月に、フィルハーレヘンはチャールズ「パンチ」バーロウと、彼の妻シンシアの手に渡ります。 バーロウはフィルハーレヘンでのぶどう栽培を再開、やがて1987年10月に、現在の所有者である南アフリカの鉱山王、アングロ・アメリカン・ファームズが購入することになりました。
アングロ・アメリカン・ファームズのもとでは多くの改革が実施されます。
ひとつはぶどうの植え替え、そして気候と土壌についての徹底的な研究です。
フィルハーレヘンは、その歩んできた長い歴史の中で、多くのユニークな文化を蓄積してきました。 300年に亘って重ねられた現実の変遷、そして、その人々による審美的な伝統です、アングロ・アメリカン・ファームズは、それらすべてを、フィルハーレヘンの未来のために受け継ぎ、そして新たなプログラムとしてスタートさせました。
これまでに、各界の有名人はもとより、ネルソン・マンデラ、ビル・クリントン夫妻、エリザベスU世やエジンバラ侯など、多くの著名人・重鎮らが訪れています。
今日フィルハーレヘンは、荘厳に聳え立つクスノキ、美しい八角形の庭園、威厳のある家屋敷、そして多くの果実や野菜、素晴らしいぶどうが生育する肥沃な谷など、そのすべてがこの上ないバランスの上に多くのビジターを魅了してくれる、南アフリカではかかせない観光スポットになっています。
揺るぎ無く横たわる伝統に、20世紀の近代的な専門技術が加わり、フィルハーレヘンは世界トップランクのワイナリーになりました。

人と環境の共同作用で、過去と現在が調和し、そして交錯する不思議な空間へ、多くのビジターをいざなう世界でもまれな場所、そして、常に進歩的な発見をすることができる場所、それがフィルハーレヘンです。
ぶどうの樹を植えた人- そして6年後に50万本ものぶどう樹を持つに至った人-
果樹園やオレンジの木立を造った人-
クスノキと樫を植えた人-
1000頭の牛と1800頭の羊を備えた18棟のキャトル・ステーションを造った人-
灌漑水路を造り、ローレンス川を操った人-
美しい家屋敷や、とうもろこし製粉工場を造った人-
フィリップス貴婦人がそうであったように、シンシア・バーロウがそうであったように、長い歴史の中で行き交った人々が、それぞれ幸運であり、惜しみない情熱を傾けたことで、今日フィルハーレヘンは、多くの芸術品とともに美しい「遺産」として、その伝統が未来へ受け継がれる如く息づくワイナリーとなっています。

アンドレ・ヴァン・レンスバーグ  Andre van Rensburg
『伝統と最新技術の最高のハーモニー』
ボルドーで開催されたVINEXPO2001で、「ベスト・ブレンデッド・レッド・ワイン」の醸造家に贈られる、「シャトー・ピション・ロングヴィル・コムテス・ド・ラランド・トロフィー」を受賞。世界から高い評価を受ける南アフリカを代表するワインメーカーです。